合気道とは

合気道は、開祖、植芝盛平(うえしばもりへい)翁(1883~1969)が日本の古武道の奥義を極めさらに発展させた現代武道です。合気道は「和」の武道と称され、翁の創設された合気会では、現在世界中でおよそ200万人の方々が稽古に励まれています。合気道は、競技を行わず相手といたずらに力で争うようなことはしません。習熟度にあわせて技を繰り返し稽古し、稽古のなかで他者を尊重し労るといった心の「和」を高めながら、心身の練成を図ることを目的としていますので、お子さんや女性をはじめ老若男女の方々がいつでも始められます。
合気道祥平塾

開祖の最後の内弟子とされる菅沼守人師範(合気会八段位)が、合気道普及のために1970(昭和45)年に本部から九州に派遣され、1977(昭和52)年4月に福岡県福岡市に開設した合気道道場です。「祥平塾」の名称の由来は、開祖植芝盛平翁と植芝吉祥丸二代道主の一字ずつを戴いたものです。祥平塾開設からほぼ半世紀を経た現在、菅沼師範のお人柄を慕い、九州はもちろん、関東、関西、中四国など全国各地に傘下道場があり、国内で数千人規模といわれる祥平塾所属の方々が楽しく稽古されています。さらには、欧米、中国、中東などに海外道場を有するなど、世界中に祥平塾の輪(和)は広がっています。これまでの全世界での門下生は約2万名とも言われ、合気会に属する登録機関の中でも最大級の規模を誇る合気道稽古団体です。
宇和島祥平塾(宇和島市、愛南町)

1991(平成3)年、菅沼師範の弟子の井上初代宇和島祥平塾長が、愛媛県南予地方の宇和島市内に、合気道祥平塾の傘下道場として「宇和島祥平塾」を開設しました。現在の居村塾長で塾長は5代目となり、2026(令和8)年には創設35周年を迎える、四国内の合気道道場の中でも歴史の長い道場となりました。現在は、年配の方々が中心ですが、無理をせずゆっくりとしたペースで怪我のないように、気持ちよく体をほぐしています。

一方、1997(平成9)年、現在米国の教育機関で教鞭をとられている武内ジェイ先生が、同南予地方の旧御荘町(現愛南町)内に、南宇和道場(宇和島祥平塾愛南道場)を開設しました。その後、現在の同道場長である埜下善央先生が同道場の代表を引き継がれました。同道場は祥平塾本部への事務連絡等の事情から、宇和島祥平塾の支部道場の位置づけとなっていますが、両道場の現在の代表が共に広島大学の同窓生ということもあり、稽古での交流も多々あるなど、互いに友好道場としてこれまで四半世紀あまり良好な関係を築いています。現在愛南道場は、子どもが中心ですが、埜下道場長の丁寧なご指導のもと、穏やかな環境で技と和のレベルを高めています。
宇和島祥平塾長より

宇和島祥平塾長(5代目) 居村 哲也(いむら てつや) 合気会 四段
旧合気会広島県支部東広島道場(現、東広島合気会)出身
広島大学総合科学部(理科系コース) 卒業
《塾長挨拶》
令和7年4月より、当塾の5代目塾長となりました居村でございます。浅学菲才の身ではございますが、歴代塾長が「和」をもって紡いでこられた当塾の灯を絶やさぬよう、精進して参ります。合気道は、無理なく体を動かすことができますから、運動不足の解消、健康増進、老化防止に大変効果的です。また、試合や勝敗がない武道というカオスな側面を持ち、結果、様々な人たちと稽古されながら、自分自身の体や心と向き合うことも多い不思議な武道です。当塾は、塾長・道場長・役員などの役職者も含め、皆和気あいあいと同じ方向を向いて稽古することをモットーとしております。運動・武道経験に関係なく、私たちの稽古スタンスに共感いただける方々の稽古参加をお待ちしております。
《Special Thanks》
私、居村がこの四半世紀の間、合気道に励むことができたのは、祥平塾所属の方々を含めて全国各地の師範、道友、知己の皆様のおかげでございます。この場をお借りして、私の合気道人生の中で大切な師範の先生方のうちこのホームページへの掲載を快諾いただけた方々について、これまで頂戴しましたご厚情に深謝いたします。
・東広島合気会 代表 師範 村上章博 先生(合気会七段位)

同会 師範 杉原伸昭 先生(合気会六段位)

前世紀末の私が広島大学の学生であったころに、同大所在地の東広島市にて「合気道」という武道を教えてくださったのが、村上先生(以下「先生」とします。)であり、杉原の親父(以下「親父」とします。)でした。先生は新潟大学合気道部のご出身で、全国高等学校合気道連盟のトップとして重責を担われた立派な教育者でもあり、さらには合気会本部より全国誌の「合気道探求」に中四国の師範の先駆けとして執筆を依頼されるような中四国を代表する合気道の師範であらせられます。英語も堪能な先生は、現在はボランティア等国際貢献の傍ら、タイの道場でも長きに渡り熱心にご指導され、つまりは国境を越えて合気道普及にご尽力されています。親父は愛媛大学合気道部OBの大御所の師範級であり、ブラジルなど海外でも指導され、先生と同様に国内外にたくさんのご友人がおられます。私がいまだに合気道を続けているのは、先生と親父がおられるからだと言っても過言ではありません。2024年NHK大河ドラマで、吉高由里子さん主演の「光る君へ」という作品がございましたが、私にとって、先生と親父は「光る和(わ)」であります。武道の心・技・体において、確かに先生と親父の峻烈で淀みのない技も感動しましたが、結局は、先生と親父の、心の「和」で人の「輪」を作る、懐の深い暖かいお人柄の光に癒され励まされた四半世紀でした。先生や親父からいただいた「和」を祥平塾世界で紡ぐことが、これからの私の合気会での主な仕事となるでしょう。どうぞ、これからもお元気で、私を含めた世界中の先生や親父のファンのために、みんなの「光る和」で居てください。
・元 愛媛県合気道連盟 理事長 沖浦 達幸 先生(合気会六段位)

かつて、松山市内で約10年間、沖浦師範が同市内の道場長、私が副道場長という立ち位置で稽古指導いただき、現在まで師事している師範(以下「師範」とします。)です。師範からは、私が「遠方から松山市内に毎週稽古に来ることがとても尊いことなんです!」と励ましていただき、師範からも「和」を感じることができたので、「光る和」に吸い寄せられるように私も清々しい心で稽古に励むことができました。あるいは、様々な困難や迷いが生じたとき師範にたびたび相談したとき、師範も同じような考えをお持ちだと確認できた際は、私は間違ってなかった、道を踏み外してなかったんだと安心したものでした。現在は、松山市を離れ合気道の一線からも退かれていますが、これまでどおり悩みごとのご相談に乗っていただくことはもとより、かつて松山市内でご指導いただいた無駄とスキのない達人級の技の稽古にてお世話になりたく、またいつの日か師範に稽古指導いただける時を心待ちにしております。
役員
宇和島祥平塾

写真左より、
指導心得 三好 昇 参段
塾長 居村 哲也 四段
塾長代行 中川 善行 参段
相談役(前宇和島祥平塾長)
大野 龍郎 五段位 (埼玉大学合気道部元主将)
愛南道場(南宇和道場)

道場長 埜下 善央(ののした よしお) 合気会 五段位
広島大学体育会合気道部 出身
広島大学工学部(建築系)卒業 一級建築士